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第324話※
溢れた先走りが肌を伝って割れ目の中まで流れるほど、感じている。
からかい混じりにそれを指摘されると、シーツに顔を埋めたまま上げる顔が、溶けてしまいそうだ。
どんなに俺が悶えようが、アゼルは俺を追い詰めるのをやめようとしない。
指がしこりをつついて跳ね上がるたびに、背中の手が背筋をなぞったり肋骨を引っ掻いたりと、好き放題まさぐって押さえつける。
「あ、ぁっ、んんっ、う、っ」
「わかるだろ? 入口はあんなに締まってたのに、中の襞はここをいじってやるとすぐ開くんだぜ、お前。指二本ぐらいじゃ、根元までくわえ込む」
「そっ、んぁ……っあ、ぁ、お前、んっ、も、話でき、な……っ」
「じゃあキッチリ想像してろ。今自分の体の中がどうなってんのか」
「ン、ぅ…っひっ……」
そう言われて中を犯す指に意識をあてがうと、ドク、と握っていたモノが質量を増した。
襞の蠢く感覚。それをなぞり掻き回される快感。刺激が脳に達する前に、根元の裏側から突き動かされるような気分だ。
にじみ出た透明な粘液がトロ……、と糸を引いてシーツに落ち、水たまりを作っていく。
「ぁあ……っん、ふぁ……」
無意識のうちに腰を揺らめかせる。
そうするとだんだんと解れてきた後孔に三本目の指が差し込まれて、その分増した圧迫感にぎゅう、と内壁が引き締まった。
それでも小さな口は裂けることもなく、破れるような痛みもない。
強く押し込まれると躾けられた媚肉は心得たように広がり、奥までそれを受け入れて、柔らかく吸い付く。
圧迫感が増しただけ前立腺を強く刺激されると、背筋を電流のような快感が駆け抜けた。
「ぅあ、っ、あ…っ、ぁっ……!」
指を増やされたその一瞬で、押し出されるように下腹部に溜まりつつある精を吐き出しそうになり、ふるふると全身を震わせて堪える。
こんなの、頭が溶けそうだ。
ヒク、と喉の奥が引きつる。
入り込んだ指はバラバラと襞をこねてみたり、かき回して入口を広げたり、束になってしこりを押しつぶしたり、懸命に我慢する俺を弄ぶように責め立てた。
「うぅ……っう、ん、ぅッ、ああっ……」
その度に抑えられない喘ぎ声をあげて、熱く脈打つ肉棒が粗相をしないようにきつく握りこむ。
早さも強さも慣れないようにランダムに変えながらぐちゃぐちゃと縦横無尽に動く指に、ついにはどうしようもなくて両手で握りこんで身をよじった。
もうとっくに限界だ。
いますぐ戒めを解いて、中を抉られながら手淫すれば、俺はどれほど気持ちがいいか。
虫の息だった理性が、どんどん崩れ落ちていく。
永遠に感じる前戯がもどかしく、俺は自分で体を拙く揺すりながら、ぐずぐずの甘ったるい猫なで声で情けなく必死に強請った。
「アゼル…っ、もうダメ、だ、ぁあ……っいれて、ほしい……イキたい…っ! 頼む……おねがぃ……っ」
「あぁ……? もう、お前な……ッ」
指じゃ足りない。
もっと熱いもので窮屈な内部をめいいっぱい広げながら貫かれて、意識が刈られる激しい快感で思うがままに絶頂を感じたい。
「ふっ、ンぁっ……」
欲望の赴くまま我慢の限界を訴えれば、責めるような声の後、三本の指がジュプッ、と引き抜かれた。
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