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第323話※*
さらけ出された陰部はすっかり淫液にまみれていて、後ろから尻肉を割開くアゼルには、濡れた入口が丸見えだろう。
指一本しか挿れてもらえていなかった後孔は、物足りないとばかりにヒクヒクと戦慄いている。
「ンぁ……っ、あ、っ」
そこにゆっくり、だが深くまでズップリと、二本の指が挿入された。
「仕方ねぇな……かわいい、シャル。いじわるしねぇから、ちゃんと触ってやる。任せとけ」
「アゼル……っ、」
「だから俺がココを広げるまでイかないように、自分で根元握っとけよ?」
「い、っいじわるじゃないかそれ……っ?」
根元まではまりこんだ指が中を拡張するために動き出すのを感じながら、自分で管理しろという言いつけについ疑問を抱く。
──我慢ってそれをしたらお前、いつも絶対に指だけで中を触って散々にイカせるだろう……!
指をしゃぶるように蠕動する襞の一枚一枚をこそぐように弄ばれる俺は、内心で必死に大きなバッテンを作って抗議する。
「どこがだよ。せっかくだから俺で良くしてやろうっていう、善意じゃねぇか」
「ひっ、あぁ……ッ!」
けれどアゼルは納得がいかないと不貞腐れ、いじけ気味に把握しきっている前立腺のしこりを、グリッ! と強く抉った。
「ほら。お前ここ触られるとたまんねぇの、体で知ってんだから、ちゃんと握ってないとすぐ終わるぜ?」
「わっわかっ……! っ、あっ、トントン、するの、まっ、まてっン、っンン……っ!」
しこりを押し潰した指先はそのままトンットンッと狙いをすまして刺激を続け、俺は慌てて唇を噛み締めながら手を伸ばし、自分のはしたなく腫れたモノを掴む。
汗ばむ体をねじまげて、やめてとは言えずに、快感にうち震える様。
片手で背中を押さえられグリグリと肩甲骨の間をまんべんなく指圧されながら、前立腺を鉤爪状に曲げた指でテンポよく突かれればひとたまりもない。
「あ、んっ、っ、ん、ぅ、」
グチュ、グチュ、とアゼルの指の動きに合わせて、粘着質な音が自分の尻の間から聞こえた。
噛み締めた唇の隙間から喘ぎ声が漏れるたび、勃起したものの先端から、尿道に溜まっていた透明な液体がトロ……、と排泄され糸を引く。
動きたくなくても腰が勝手に跳ね、たまらない。気持ちいい。
無意識にもっとと蠢く内壁が、指に絡みつく。
だが、射精することは我慢しなければならない。
「んッ……ふっ、…ンッ、ん、っ……!」
こすると逆に追い詰められてしまうので、親指と人差し指でリングを作って、根元を痛くないように引き絞った。
自分だけあられもない声を出すのも恥ずかしくて、片手で口元を押さえる。
「お前は頭も体も全部素直だな。さっきは下着の上から舐めて触っただけなのに……もうこんな音がするくらい、涎垂らして期待してたのかよ。聞こえるか?」
シャルは人間でも変態だな、なんて嬉しげなその声は俺の耳をなぶって、顔に熱が集まるのがわかる。
ちゅくちゅくと羞恥を煽る水音を響かせているのが自分の体内だなんて、何度してても言葉にされると赤面ものだ。
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