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第378話※
しかし錯覚は錯覚だ。
抱いているのは自分で、シャルを可愛がるのも自分の役目だ。
「! ふっ…ん、んっ」
銜えられた指を動かし、シャルの口内を弄ぶ。
もう一方の手で芯を持って濡れそぼる勃起をやわく握り、根元から傘裏まで、ねっとりと扱いてやった。
不意打ちで男なら誰でも感じる場所を刺激しながら、キスで覚えた弱いところを指先でなぞってやる。
すると流石の番長も膝から体勢を崩し、アゼルの肩に置いた両手が滑り、もたれかかってきた。
「んあッ……」
そのせいでシャルの体重そのままの勢いで、最奥の突き当たりまで自分のものが、ズップリとハマリ込んだのがわかる。
全体を熱い媚肉が包み込み、反射的にだろうが、キツく肉棒を締め付けられた。
「あッ…、ぁ……っ」
アゼルの手の中で肉芯の先から、少量の白濁がコプッ、と漏れ出す。
ふふん、油断大敵だぜ。
機嫌よく鼻を鳴らした。
口内から指を引き抜こうとするシャルに思い知らせてやるため、軟体生物のようにくねる舌の表面を押さえ、下顎を掴んでそれを阻止する。
「やっ……ぁ、くっ……!」
「お前は可愛がられる側なんだよ、馬鹿シャル」
「りゃぇ、ひぁ…、あぜぅ、はなひへく、っう」
シャルは興奮から紅潮した顔で、困り気味に眉を垂らして懇願するが、こればっかりはきいてやれない。
アゼルの側に倒れ込んでいるシャルの口腔をイジメながらぐっと押し返せば、「あぁ……ッ」と喘ぎ弓なりに背を反らしてた。
体勢を崩し倒れそうになったために、懸命にアゼルの首に掴まる。最高だ。
「あ…ぁ…ぁッ…はッ…」
トントンと弱い箇所をノックしてやると、シャルは小刻みな鳴き声を漏らし、腰をくねらせて表情を蕩けさせた。
あまり大きくは動けないが体を揺すり突き上げながら、アゼルは自分の機嫌がうなぎのぼりに上がり出すのを感じる。
アゼルが絶頂の近い勃起を擦り上げれば、それだけで切なそうに喘ぎ、中はもっとと強請るように絶妙に締め付けてくる。
舌や顎裏を擦る指を動かせば、口端から唾液がトロ……、と滴り、アゼルの手を伝う。
「あぅ、あぜ、ん、ふぁ…あぁ……っ」
どうだ、最高だろう。
これでこそいつもの魔王様じゃないか。
見た目は若くなっても、中身は十分すぎるほど大人。
無自覚に子供扱いしてくる迂闊なシャルには、こうやって思い知らせてやるのが理想の自分だ。
「はっあ、いっひゃ……っひっ…ひっ……」
「っん、くく、イケよ。ちゃんと見ててやる」
「いやら、っ……おわ、うの、」
ちゃんと中のいいところを突いてもらえない体勢で絶頂に達すると、物足りない自覚があるのだろう。
アゼルの手で高められていくシャルは、震えながらアゼルの項を強くなで、限界を訴える。
「ふふん、終わりのわけねえだろ? この姿でもやれるって証明してやるぜ」
「ア…ッ……ぁうぅ……っ」
だが当然そんな予定は入っていないので、誇らしげに胸を張って、身悶えるシャルを絶頂に導く。
アゼルが小刻みな律動と手淫の速度を速めると、体の間で赤く腫れた勃起から、ビュクッと精が迸った。
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