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22:発情期
ターリャに噛み付かれた項から、一気に熱がイリの身体を走った。イリの中にあるΩの全てが、目の前にいるターリャのαを求めている。
あぁ。自分はもう、この人のものになったんだ。そして、ターリャも自分のものだ。
「い、り」
プワワッと、イリの身体から甘い匂いが香ってくる。これは、何度かターリャも感じたことのある、Ωの発情期の際の匂いだ。
しかし、ここまで強烈的に甘いものは嗅いだことはない。
イリを傷つけないようにと、理性をかき集めて踏ん張っているが。それも時間の問題だと、ターリャは重く息を吐く。
ターリャの吐く息を直に肌で感じて、イリはプルプルと身体を震わせた。今までΩだったが、発情期を1度も体験したことのないイリは早くこの熱をどうにかして欲しかった。
「あ、ぅ……っ、」
自分の中で爆発しそうな熱に耐えるべく、音のない声をイリは出した。出したつもりだった。
しかし、いつもなら音の乗らなかったイリの声だったが。
「イリ。お前、」
「あ、あぇ?」
驚いてイリがターリャを見ると、同じように驚いていた。
「あ……。ぼ、ぼく、こえが、ひぅ!!」
「っ、イリ、」
自分の口から出た声に驚いていたが、急に耳に訪れた快楽にイリは甘い声をあげた。どうやら、今まで踏ん張っていたターリャの理性が、イリの声を聞いてプツンと切れたらしい。
柔らかなベッドの上にイリを押し倒すと、早急に服を脱がせた。
「た、ターリャ……っ。んぁっ」
「すまない、イリ。もう、我慢ができない」
「ひ、ぁっ!ん、そこ、たべちゃ、やだっ、あぅ」
「んっ。イリのここは、小さくてそして甘くて美味しいぞ」
ピンク色のイリの乳首を、ターリャは我慢出来ずに舐めたり軽く噛んだりする。遊郭で働いていたイリだが、こういった仕事をしたことはなく。いつもは暴力を振るわれるだけだったから、初めての快楽だった。
「あ、んっ。た、たりゃ。ふぁっ、んんぅ」
「い、り………」
夢中でイリの乳首を貪っているターリャの手が、そっとイリのゆるく勃ち上がっているそれに伸びてきた。
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