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第19話
小生の身体は、真っ赤に染まっていました。
その赤からは、朱音さんの臭いがします。
とてもとても気持ちが悪くて。
だけど、あまり離れられません。
小生の目の前には、ボロボロの雑巾のような朱音さんがいます。
真っ赤で、それは、朱音さんの名前にぴったりだと思います。
部屋から、空薇の声が聞こえます。
起きて、小生がいないことに驚いているのでしょう。
「ああ……、待ってて」
出刃包丁は投げ捨てて、部屋に行きます。
そして、空薇をあやしながら、朱音さんのところに行きます。
「空薇、お父さんだよ。抱っこしてもらいな」
朱音さんに、抱っこさせると。
空薇は、拒絶するように泣き出しました。
小生は、その様子を見て、ニヤリと笑います。
「ほんっと、朱音さんは最低ですね」
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