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心を奪われて
「長い間生きているが、そんな事を言われたのは、生まれて初めてだ」
「す、すみません…あぁ…!」
呆れているベリアル様の声に謝ると、再び、ベリアル様の指が性器を撫で始める。
「他の者に触れられるのは嫌なのに、私には抱かれたいのか?」
この行為は恥ずかしくてたまらない。
だけれど、いつからかベリアル様に触れていたいと思う感情が芽生え始めていた。
きっと、ベリアル様の事を恐れながら惹かれていた最初よりも、もっともっと好きになってしまったから。
だから、触れたいと思うし、触れると幸せだと感じるのだと思う。
「ベリアル様の事が好きです…、だから、ふ、触れてもらえると嬉しいです…」
やっとの事で伝えるが、ベリアル様はつまらなそうに鼻で笑う。
「相変わらず陳腐な台詞な上に、下手糞な誘惑だな…」
「う…、も、申し訳ございません…ひゃうっ…!」
私が濡らしてしまった滑りを借りて、後ろにベリアル様の指が差し込まれる。
「だが、今はその誘惑に乗ってやろう」
妖艶に微笑むベリアル様の笑顔に、どきりと胸が鳴る。
嗚呼。
やはり、私はベリアル様の事が好きなんだと再確認をする。
そして、理由は分からないけれど、ベリアル様から不機嫌さが消えた事に、とても安堵した。
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