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嫌いにならないで

「やっ…いやぁ…」 思わず漏れた喘ぎに、ベリアル様の眉が不機嫌そうに上がる。 「私に抱いて欲しいなら、嫌ではなく、もっとと言いなさい」 「ぁ…、ベリ…アル…さ、ま。も、もっと…」 自分から強請る様な言葉を言うのは、凄く恥ずかしい。 でも、ベリアル様に会いたくてたまらなかったから、もっと触れて欲しかった。 「他に、何か言う事は…?」 「べ、ベリアル…様に、恥をかかせて…も、申し訳ございませんでした…っ…」 ジワリと涙がこぼれ落ちる。 ベリアル様を凄く怒らせてしまった。 だけれど、どうしても、ベリアル様以外の誰かに、淫らな事をされるのは嫌で、痛い事をされるのも恐ろしかった。 そして、どうしてもベリアル様の元に帰って来たかったのだ。 痛いのは嫌だけれど、ベリアル様にされる事なら、何だって我慢できるから。 ベリアル様の側にいられるなら、何だって耐えようと思う。 でも。 「でも、べ、ベリアル様以外に触れられるのは、どうしても嫌です…」 泣きながら必死に言うと、ベリアル様は深い溜息を吐いた。

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