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揺れる
「天使長自ら直々にか!?ひえー、失踪したのは天界の重鎮か!?」
「や、そこまでは知らねぇけどよ。何でも、ベルゼブブ様の所に来てるらしいぜ…」
「それは、本当ですか!?」
「ひっ!?る、ルノア様!?」
突然現れた私に、悪魔さん達が怯える。
けれど、それに構って遠慮をしている余裕はなかった。
「ミカエル様は何時いらしたんです!?お願いします!教えて下さい…!!」
「そ、その…、今しがたミカエルがベルゼブブ様の城に来ていると、う、噂が…、る、ルノア様!!??」
悪魔さんが言い終わるか終わらないかのうちに、私は夢中で走り出した。
ベルゼブブ様のお城は、ベリアル様のお城の隣りの領地だからそれ程遠くはない。
ミカエル様がお帰りになってしまう前に…!
お願いだから、間に合ってほしい…!
「ルノア様!お待ち下さい…!ルノア様!!」
遙か遠くに悪魔さん達の声が聞こえていた。
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