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決意
「私、もう決めたんです…。この魂が尽きるまで、ベリアル様のお側にいるって…」
初めて誰かに自分の気持ちを話した。
それは、ラルドさんに伝えると同時に、まるで自分にも言い聞かせる様だと思った。
「一生ミカエル様に仕えようと決めていた身でありながら、こんな事はいけないのかもしれないけれど…。きっと天界へ帰れても、ベリアル様の御側にいられない事をずっと後悔するから、だから、私は天界へは帰れません…」
「…………本当に、ベリアル様の事がお好きなんですね」
ラルドさんの言葉に私は大きく頷いた。
◇◇◇
お城の中に戻ろうと、庭園を抜けた時だった。
ふいに見張りの悪魔さん達の話声が聞こえた。
「おい、聞いたか?あの話」
「ルシファー様の使いが来てるって話か?なんでも、熾天使のミカエルが失踪した天使を探してるっていうアレだろ?」
悪魔さん達は、私がラルドさんから聞いたお話をしている様だった。
「それが、今そのミカエル本人が魔界まで直々に探しに来てるらしいんだよ」
その言葉に、私はその場に思わず立ちつくした。
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