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プロローグ
俺は、あの時のアイツの顔が今でも忘れられない。
嫌悪感と、後悔と、絶望に歪んだ顔。
鬱陶しいくらい俺に向けてくれていた優しい微笑みは、完全に消えてしまっていた。
こんな俺でも、家族になれるとか言ったくせに。
αとかΩとか、人間と獣人とか、そんなもん関係ないって言ってたくせに。
「あぁ……そうか」
結局人間ってのは、身をもって体験しないと理解が出来ない。低能な生き物ということか。
「人間なんか……αなんか……嫌いだ」
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