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第8話
「キミなら、きっと。大丈夫」
うなじに手を這わせると無意識か すり寄ってくる。
「ありがとう。……ホントは一目惚れだった。甘い匂い、綺麗な毛並みに吸い寄せられた。キミを独り占めしたくなった。急にキミの運命を変えてごめん。でも、ありがとう」
彼が魅せる心からの笑顔。
つられて俺も眉尻が下がった。
こいつなら、きっと。
初めて会ったα。
初めて会った獣人 。
初めて感じた温もり。
「そういえばお前、名前は?オレはロウ」
「ロウ……ロウか。俺はサク」
「うん。改めてよろしくな。サク」
「ああ…よろしく。ロウ」
こいつなら、きっと大丈夫。
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