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第5話 -10

 どろり、と溢れたそれは思いのほか薄く少なく、昨日の夜までまた誰かに抱かれていたのかと考えてしまう。  掌で受け止め切れたそれをティッシュで拭いながら、光は障子に視線をやった。 「あの人、外に食べに行くって言ってたね。他に市倉さんにお願いされてる人っているの?」 「……いない」 「そっか、じゃあもうちょっとしてもいい? 俺もイってないし、何よりさとも認めてくれてないから」  イったらやめるなんて言っていないからと先端を掌でぐりぐりと擦り、弄る。嫌がるのも厭わずに足を広げさせ何度も刺激し続けていると、悟志はその腕を掴んだ。 「だめ、もれ、ぅ」 「呂律まわってないのもかーわいい。大丈夫だよー、おしっこじゃないからちゃんと出してね」  弄り続け限界が来たのか、我慢できない尿意が沸き上がったようで呂律も回らないままに止めて来る。力なく掴まれたところでやめるはずもなく弄り続けていると、今しがた出てきた精液よりも勢いよく、透明な体液が溢れだしてしまった。  潮吹きなんて初めてだったのか、あまりにも衝撃的な快感に悟志は息も絶え絶えな様子だ。少し身体を離していた光は、腰が震えているだけでなく後ろの秘めた場所がひくひくと刺激を求めているのに気が付く。どう見てもこれ以上を望んでいるそれを弄りたくなるのを抑え、悟志が濡らした布団に手をやった。 「高校2年生になったのに、おもらししたみたいになっちゃったね」 「こ、れ」 「イっちゃった後にここぐりぐりするとね、女の人みたいに潮吹いちゃうんだ。でもさとの方が女の子よりずっとえっち」 「れも」 「うん?」  少し反応が鈍い。悟志は達するとぼんやりとしてしまうタイプのようだ。あまり呂律のまわっていないそれを見下ろし、何を言うのか待つ。  悟志は、光の手に触れ指先に噛みついた。 「いちくらとは、こうならなかったのに」 「……さと、あの人ともしたの?」  保護者と変わらないあの世話役とまで。光の言葉に、悟志ははっとした様子で顔を見上げた。  自分が何を言ったのか、それを光に知られてしまったのか、頭の中で考えていただけのことが零れてしまったようで口を覆う。 「俺、今何を言った?」 「ううん、なんにも。気持ちよかったってふにゃふにゃしてたよ」  あの男は保護者としてずっと悟志の隣にいるが、親代わりであり悟志相手にそんなことをしないと思っていたのに。まさか、悟志の方が誘った?  いや、考えるのはやめよう。光は起き上がった悟志にまだ達しておらず芯を持った自分のそれを見せるように座った。 「外にご飯食べに行くなら本当に一時間くらいは帰ってこないだろうし、えっちが好きだって認めてくれたら何でもしてあげるけど、どうしたい?」  物欲しそうにしていたそれに、気付かないはずもない。  本当はもっと地道に恋愛感情として抱えているものを膨れさせてから順序を追ってここまでいくつもりだった。だが、父親に時雨に市倉。時雨だけならまだしもあの男にまで抱かれたなんて聞いてしまっては一日でも無駄にできない。  勃ち上がっているそれを、見せつけるように自分で撫で上げる。 「ねえ、さと。もう認めてよ。このおちんちん欲しくてしょうがないんでしょ?」  平均よりも遥かに大きいのはわかっている。これでどれだけの女子に無理だと泣かれてきたか。それでも悟志はこれを欲しそうに見ていた。なら、拒否はしないはず。  悟志はそれを見ながら唾を飲み込む。ビンゴだ。

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