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早く彼の元へ
『わかった。エル、お前はその武器庫を破壊して来い。隠し通路を見つけた。俺はそこに行く。』
「了解」
シキにそう言われ、早速隠していた武器を出す。
僕の武器はチャクラムだ。組み立てると大きな円形の刃物になる。
「さ、やろうかな」
フリスビーの要領で武器庫の中でチャクラムを思いっきり投げる。
チャクラムが戻ってきた頃には武器庫は大爆発を起こしていた。ものすごい爆音に僕は覚悟が決まった。
これで、敵がうじゃうじゃここに集まるだろう。
ーーー行って、シキ。
僕はこの潜入班に入りられたことがとてつもなく不安だった。やったことないし、いつも共にする双子の兄、ライトとも今日は別々だ。
ライトとは、性格が全く違うし僕が兄のストッパーである。だけど、僕は兄の陰にいつも隠れていた。
僕だって、僕だって素直にシキに甘えたい。
でも、その為には、
「僕だって一人で頑張らなきゃね」
僕は不敵に笑って、迫り来る敵と対峙する。
僕はチャクラムを思いっきり投げてその間に近くにいる敵を刃物で斬りつける。なんだ、この敵………人間じゃ、ない?
チャクラムが一周した頃には敵は一掃されている。
シキに頭を撫でてもらうのが、楽しみだよ。
***
『こちらシキ。地下に閉じ込められた。さらに地下に奴らがの本拠点がある模様。そちらに向かう。』
「おいおい!アイツ一人で大丈夫なのかよ!!」
俺はシキからの無線につい怒鳴ってしまった。
わかってる。落ち着け、落ち着け。
そう思うけど、俺はどうしたって激昂しちまう。
「オイ、ガキ!!てめぇさっきからなんで黙ってんだ!!!」
隠密班でもある俺達は、着々と作戦を進める。
しかし、アオは今日は黙りっぱなしだ。
おかしい。
「………おい?」
「もう!!ちょっとなによ!!アンタさっきからうるさいのよ!!」
アオが少し心配になり、声をかけようとすると女がギャンギャンとかましてくる。だから、女は嫌いなんだ。耳がいたい。
「うるっせえんだよ!!てめぇ!!女は黙ってろ!!」
「なによ!!!」
あぁ、シキよ。今から行くからコイツらをどうにかしてくれ………!!
「シキ!俺達も仕事は終わった!俺達もそちらに向かう!」俺は無線に向かって叫ぶ。
すると、前から敵ども。
「なんだ、コイツら!!?に、人形か!!」
よく見てみると、人間ではなく人形達が襲いかかってくる。
「これっなによ!!」と言いつつ、次々と人形を粉々にしていく女を見て、少し引いた。
アオの方を見ると、(……チッ、コイツ……!!)
俺は、心の中で舌打ちをする。ふざけんなよ、お前。
俺はアオの背後を狙った人形を切り捨て、アオを傷つけないように鉤爪を丸めてアオにビンタする。
「ボーっとしてんじゃねえ!!」
「………っ」
「なに考えてんのか、知らんが目の前のモン見やがれ!!!!じゃねぇと、誰かが、シキが死ぬぞ!!!!!!」
「…………っ!!」
ハッとした顔をするアオを見て、また前に進む為に俺は足を進める。
「オラ、行くぞテメェら」
後ろで「命令しないでよ!!」とギャンギャン騒ぐ奴がいるがもう一つの足音が先程よりしっかりしたものになっていて、俺はつい口角が上がっちまった。
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