2 / 14

第2話

この世界には六つの性別がある。 男と女。 そして、それぞれにα、β、Ωと分かれている。 多くはβで、簡単に言えば普通の人間だ。 次にα。 社会的地位も高く、有能。 そして、Ω。 一定期間で発情期が訪れてフェロモンを撒き散らし、α、βなら誰彼構わず誘惑する。 男も妊娠する事が出来て、その厄介な体質から社会的地位は低い。 オレはαの両親から産まれたα性。 代々由緒正しいαの家系で、裕福に何不自由なく育てられた。 将来はαの妻を娶り、家を継いで立派な後継者になる。 ……そのはずだった。 今日、たまたま買い物に出掛けた街中でコイツに会うまでは。 運命の番という都市伝説みたいな話がある。 元々、αとΩには番という婚姻のような関係があって、発情期のΩとの性交中にαが項を噛むことで成立する。 番になるとΩは番にしかフェロモンを出さなくなる。 αも番だけにしか反応しなくなる。 しかし社会的地位の低いΩは発情すると誘惑してしまうため、望まない相手に犯され噛まれてしまうこともある。 それを予防する為に、簡単には切れない首輪をし発情を抑える薬を飲む。

ともだちにシェアしよう!