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第3話
しかし、運命の番に出会うと互いに惹かれずにはいられなくなる。
離れられなくなる。
例え、その時に違うパートナーがいても別れて運命の番を選ぶ。
それ程までに強烈なのだ。
Ωという存在は。
今まではずっと運命の番など、面白おかしく誰かが言い出した話だと思っていた。
だけど違った。
今までにもΩには会ったことがある。けれど、その時には感じなかった。
こんなに欲しいと思わせる存在。
今すぐその服を剥ぎ取って中に自分のモノを突っ込んで欲を吐き出したいという願望。
何よりそんな邪魔な首輪など取り外して、項に噛みつきたい。
オレのものだと印を付けて、欲望のままに抱き潰したい。
我慢出来ない。
こんなに苦しいなんて知らなかった。
知りたくなかった。
運命の番になんて出会いたくなかった……。
「く……薬……あ、鞄……」
たどたどしく自分の鞄を開けて、中から薬を取り出すと震える手でそれを飲もうとするのを見ていた。
早く飲んでくれ。早く効いてくれ。
もう一瞬でも我慢出来ない。
――我慢出来ない。
気がつくと薬を持った腕を掴んでソイツを押し倒していた。
ソイツの手から薬が落ちて、車内のあちこちに散らばっていく。
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