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第20話運命の人12

アデルは、城で用事を済ませ、トンボ帰りで別荘へ戻ってきた。 「ショータ。よく聞いて欲しい」 「……何?」 澄んだ瞳の翔太が見上げる。思わずキスをしたくなる衝動を抑えて、アデルは今後の説明を始めた。番になってから、理性が緩くなっているようだ。 「父上にショータのことを話してきた。直ぐに認めては貰えないが、説得する自信はある。胸の紋章を見せれば尚更だ」 「ちょっ、ちょっと待って。もう話したのか」 「ああ。相手国の従者が洗いざらい吐いた。婚約は間もなく破談になる。次の相手を見つけられる前に、先手を打たなければならないからな」 「じゃあ、アデルは結婚しないってこと?」 「俺はショータと結婚する」 「ええええっ…………」 話が飛躍し始めたようだ。ひよこ頭は混乱した。 「け、結婚って、相手に了解をしてもらわらないとできないだろう」 「ショータは嫌か?俺はショータと結婚して、城で一緒に暮らしたいんだ」 「別に嫌じゃないけど……アデルにはお兄さんがいる。お兄さんを差し置いたら駄目じゃないか」 「兄上は父上の怒りを買った。恐らく、頭を冷やすため、僻地へ流刑になるだろう。近い将来、国を継ぎたいと思ってる。俺は本気だ」 アデルの真面目な眼差しに、翔太は胸が締め付けられるような切なさを感じた。 アデルは何でも自分で決めてしまう。 翔太にはアデルしかいない。これからずっとアデルを頼りに生きて、それでいいのか。アデルの負担にならないと、言い切れるだろうか。国を継ぐことを、生半可な気持ちでは決められない。 「俺は子供が産めないから、王族の血を残せないよ」 ニヤリとしたアデルが翔太のシャツを肌蹴させる。ピンク色の突起の間にある、光る紋章を確認した。 「Ωは姓に関係無く子供が産めるらしいぞ。キノが診察しないと正式には分からないらしいが、紋章のことと、昨晩の乱れ方から推測しても間違いはないらしい」 「な、何言ってんの……?」 「だから、ショータは俺の子供が産める。俺はお前を孕ませたい」 「うそだ……孕ませるって、いやらしいこと言うなよっ」 アデルは翔太を強引に引き寄せ、唇を重ねた。 発情期はまだ燻っているようで、翔太の下半身は瞬く間に反応する。 「ショータ……好きだ。俺と共に生きて欲しい。お前はどう思っているか、返事を聞きたい」 いやらしく翔太の中芯に手を這わせ、やわ尻を揉み始める。それだけで蕩ける自分は、アデルに一生敵わないだろう。 後孔も昨晩の熱さを求めるかのようにキュッと収縮した。 「…………俺も、好きだ……アデルのこと大切に、思ってる……」 「じゃあ、決まりだな。孕ませよう」 「それは恥ずかしいから、言うなっ」 「ははは、ショータは本当に可愛い」 「可愛くないっ…………」 「本当に可愛いから仕方がない。愛してるよ」 二人は再びベッドへなだれ込み、心ゆくまで愛し合った。 こうして異世界から来た、ひよこに似た少年は、アデルのお嫁さんとして迎えられた。 アデルは翔太を孕ませることに無事成功し、玉のような双子を授かるのだが、これはまた別の物語である。 異世界に行ったひよこは幸せになりました。 おしまい

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