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第20話 苦悶
翌日、僕は学校を休んだ。
蒼一朗は僕の事を心配して一緒にいると言ったけど、大丈夫だからと言うと、何かあったらすぐ電話するようにと言って仕事に出かけた。
昨日から鞄に入れっぱなしだったスマホを確認すると、大輝からメールが来ていた。
僕の体調を心配する内容で、特に変なところはない。今日は金曜日で、明日、明後日はいいけど、週明けには学校がある。
ーー会いたくない。
大輝には、会いたくない。
だって、僕は人と関わるのが嫌で、人にどう思われてようがどうでもよくて、人がどうなろうがどうでもよくて……。なのに。
大輝は例えるなら太陽みたいだと思う。ずっと暗い道を歩いて来た僕を、光で照らして暖めてくれたんだ。
最初は眩しすぎて暖かいのが気持ち悪くて、戸惑っていたんだけど…。だんだん目が慣れてきて暖かいのが気持ち良くなって……。
でも深く暗い道だから、すぐに冷たくなってしまう。きっと光を飲み込んでしまう。だからもう、僕に近付いちゃ駄目だよ……。
そんな事を考えしまう。
それに、暗い道を歩く僕の後ろには、必ず蒼一朗がついて来てくれる……。だからいいんだ…、光がなくても。
ぼんやりとそんなことを考えていたら、いつの間にか眠ってしまっていた。
そして、暫く見ていなかった、あの悪夢を見た。
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