蒼一朗が、抱き寄せた僕の額に唇を押し付けてきた。 病院から蒼一朗が何かピリピリしてるように感じて、僕は彼を見上げて尋ねる。 「蒼…どうしたの？何か怒ってるの？」 「怒ってない…」 何故か苦しそうに言って、僕をしっかりと抱き直す。エアコンが効いている部屋の中で、彼の体温がとても心地良い。 僕は蒼一朗の胸に顔を擦り寄せて、匂いを吸い込んだ。頭の上から「燈…」と声が聞こえて顔を上げると、蒼一朗が僕を見つめたまま、唇を合わせてくる。何度か角度を変えて啄んでから、ぬるりと舌を挿し入れて激しく貪ってきた。 「ふぅ…ん、んっ、んぅ」 合わさった唇の隙間から僕の声が漏れる。エアコンが動く音の中に、舌の絡まる水音と僕の甘い声が聞こえて、身体が熱を持ってきた。 僕の舌を強く吸い上げて唇を離すと、蒼一朗は僕のＴシャツを捲り上げた。胸から腹にかけて、噛み付くように赤い痕を付ける。僕のスウェットのゴムから手を差し入れて、性器をぎゅっと握って上下に扱いた。 「あっ、や…ぁ」 蒼一朗がもう片方の手で胸を揉むように動かし、指で乳首を摘んでくりくりとこねる。そしてもう一方に顔を近付け、口に含んで舌で転がす。僕は蒼一朗の頭を胸に押し付けるように抱いて、背中をしならせた。 ーー蒼…今日はどうしたの…。僕は泣いてないし震えてもいないのに、いっぱいキスをくれる…。 そんな事を考えながら蒼一朗の愛撫に身体を委ねてると、彼が僕のスウェットと下着を一気に脱がせた。そして性器を咥えると、蕾の周りを指でぐにぐにと押してきた。 「ひぁ…っ、あんっ、あ…あっ」 僕は強い刺激に腰を震わせる。 ーー蒼…？僕を、抱くの…？ 僕は期待で益々身体が熱く蠢いて、腰を揺らし続ける。 蒼一朗が僕の性器から口を離して身体を起こすと、ベッドヘッドの引き出しからローションを取り出した。掌に出して両手を擦り合わせる。ある程度温めると、僕の性器と尻の間に塗り込んできた。 僕の立てた膝の間に蒼一朗が身体を割り込ませ、唇を食みながら後孔に指を潜り込ませる。ぐにゅりと孔を広げて僕の感じる所を擦るように、指を出し入れする。 「あ…っ、あっ…ん、やぁ、も…ほ、しい…」 僕は我慢できなくて、自分から腰をいやらしく揺らしてねだった。 「まだだ…」 蒼一朗が唇を触れ合わせたまま、掠れた声で囁いた。指を二本に増やして更に孔を広げていく。僕はもっと強い刺激が欲しくて、目に涙を滲ませて訴えた。 「やぁ…っ、そうっ、お願い…蒼ので、いっぱい…してぇ…奥まで、きて…っ」 唇が触れるぐらい近くにある蒼一朗の目を見つめる。彼の首に腕を回して僕から舌を伸ばす。舌を擦り合わせている間に、蒼一朗が指を抜いて自分のズボンと下着を脱ぐ。そして、荒い息を吐いて硬く勃起した性器を、僕の後孔に押し付けた。