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第74話 執着 ※
蒼一朗は、再び僕を仰向けに戻すと腰を突き入れ始めた。
「あ…やぁ…っ、まって…も、むり…ぃ…っ」
僕は全身が痺れ、力の入らない身体を揺さぶられて涙を零しながら懇願した。
「ごめん…燈、まだだ…」
そう言うと、蒼一朗は僕の目尻に唇を寄せ涙を吸っていく。そのまま耳の中に舌を入れ、熱い息を吐いて「燈…」と、また僕の名前を囁いた。
「あっ、やぁ…っ、あっ、ん…っ」
蒼一朗の低く甘い声に、背中がぞくりと震える。僕の足を高く抱えると、ぱんぱんと肉のぶつかる音が響くほど、激しく腰を打ち付けてきた。中に入っている彼の精液と僕の愛液が擦られて、ぐちゃぐちゃといやらしい音が結合部から聞こえる。
「あ…あ…っ」
僕はもう全身がふわふわとして、意識も朦朧としてきた。声も掠れて小さくなり、ただ蒼一朗から与えられる快楽に身を委ねるだけだ。
彼の動きが速くなり、僕の性器を握って強く上下に動かす。
「あ、あ、やぁ…」
僕は腰を細かく震わせて、精液をとろりと溢れさせた。
「はぁっ、燈…っ」
蒼一朗の男根に僕の襞がぎゅうと絡まると、彼が三度目の精液を勢いよく奥へかけた。
…ああ…蒼のがいっぱい…気持ちいい……。
僕は蒼一朗に手を伸ばそうとするけどぴくりとも動かなくて、心地良い余韻に浸りながら、ゆっくりと意識を手放していった。
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