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第25話
「はあ……っ、一緒にいこう? そうしないと…辛く、なるよ」
「じゃ、いっかい、ゆっくりぃ……っ」
抽挿が少しだけ緩やかになって、彼の指が純の額に張り付いた前髪をかき分ける。
そこに慈しむようなキスが降ってきて純は思わず目を瞑った。
「ん……ぁ…正和、さん」
額の温もりが離れていくのを感じて再び瞼を開けば、彼の熱い瞳と視線が絡んでしまい、純は恥ずかしくて少しだけ目を細める。
「……まだだめ?」
「わかんない……ゆっくり、しても…なんか変わんない」
思ったまま言えば彼はくすりと笑って、両手で純の頭を抱え込んでくる。
「っ……でも、もう少し待っ──」
「待たない」
そのまま彼の顔が近付いてきて、反論を掻き消すように唇が重なり、深く深く交わった。
「んっ、んん……っ」
次第に律動が速くなり、淫らな水音がリビングに響き渡る。
張り詰めた男根から溢れ出た透明な蜜で下腹部がしとどに濡れ、それがまた擦れるたびに快感を生む。
「あっあぁあ……っ、は、ぁ…も、あぁ……──っ」
ぎゅうっと彼の首にしがみついて全身を震わせ、とろとろと白蜜を零す。
「は……っ、あぁ、もう、も、だめ」
絶頂を迎えても尚、止むことのない動きに背を仰け反らせて逃げるように彼の肩を押す。
力の入らなくなった体では些細な抵抗だったが、それさえも許さないというように抱きしめられて押さえつけられた。
追い上げるように速くなる動きに、仕方なく彼の肩に腕を回して再びしがみつく。
「あっ、あっ、あぁ、まさかず、さん……っ、はっ、あうう……っ」
最奥に熱い飛沫が打ち付けられて、ようやく激しい律動が終わる。余韻の甘い痺れを感じながら脱力し、しばらくするとゆっくりと動きが止まった。
荒い呼吸が治まるまでの間、啄むような口付けを何度か交わし、やがて後孔から彼のものが抜け出ると純の体から完全に力が抜ける。
だが、少ししたらシャワーを浴びよう、純がそう思ったのとほぼ同時に彼は額にキスを落として言った。
「次はベッドいこっか♡」
「え?……いやいやいや! もう無理だからね?」
焦って否定するものの、ご機嫌に目を細めた彼には聞こえていないようで。いや、聞く気がないようで、そのまま抱きかかえられて、彼の部屋へと連れて行かれるのだった。
* * *
「んー……、っ! ──え? 今何時?」
瞼を開けると、カーテンの隙間から覗く空が夕焼けに染まっているのが分かって、純は欠伸の途中で目を大きく見開いた。
「四時半かな。ちょうど良かった。そろそろ起こそうと思ってたんだ」
「ええーっ、なんでもっと早く起こしてくれなかったの?!」
「だって気持ちよさそうに眠ってたから」
彼は悪びれもせずそう言って、腕枕している方とは反対の手で純の髪を梳く。
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