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第61話

聖side でも、和爾を抱いてる時だけは心が救われた気がしてた……。 本当は優しく抱きたかった……。 もっと、和爾の心に寄り添って一緒にいたかった……。 でも、分からなかった……。 優しくする方法が、和爾を傷つけない方法が分からなくて、勉強しようと思って色んな人に抱かれてみた…。 和爾は以前にも増して泣くようになって、和爾の弟には、物凄く睨まれて、嫌われた…。 ただ俺は、和爾の特別になって……愛されたかっただけなのに……。 誰にもわかってもらえなくて、苦しくて息が出来なくて……。そんな自分が嫌いで、消してしまいたかった……。 だから、自傷行為に走った…。和爾はそれを止めようと必死になってて…。俺が自傷行為をすると、泣いてた……。和爾の涙を見ると、その時は辞められた…。でも、家で一人になると、今まで以上にに悪化した……。 和爾以外には気づかれなかった…。見えない位置だったから……。 「ねぇ、死にたくなったらさ、俺のところに来てよ。それで、その夜は俺の横で一緒に眠ってよ」 「傷つけるかも知れない……。俺、君の事傷つけたくない…」 「大丈夫だよ。だから、ね?俺と同じ時間を、一緒に生きてくれない?」 これが全ての始まりだった……。その日から葛藤の日々が始まった……。傷つけたくないと言いながら俺は、償いきれないほど和爾のことを傷つけてしまった……。 「俺たち……なんで出会っちゃったんだろ…。傷つけたくないのに……和爾を傷つけることしか出来ないのに……。俺、君の側から離れたくない…。死ぬまで……、死んでからも君と一緒にいたい……」 「……大丈夫だよ…。俺は大丈夫……。それに、俺、佑々木と出会ったのは運命だと思うんだ…。こんなにお互い傷だらけだけど……、でも、俺、佑々木じゃなきゃダメなんだ……。ごめんね、解放してあげられなくて……ごめんね……」 「それは俺のセリフだよ……。ごめん…。解放出来なくて、これからも傷つけてしまうかも知れないでも……、俺と生きて……。一緒に最後の時まで一緒に生きて……」 「うん……。俺も、佑々木と最後の時まで一緒にいたい……。一緒に生きよ……。一緒に悩んで、辛いのを分け合って、幸せを二倍にしていこうよ……」 「うん……。うん…。ありがと、雨……」 「ううん、こちらこそ……。ありがと、聖」 平和に見えた日々の中……。お互いにボロボロになりながらも、相手のことをが好きすぎて話せなくて……。 葛藤しながら生きてた二人……。誰にも気付かれず、二人だけの世界で生きていた…。

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