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友人
それから後、三歳が失恋の傷を癒し玲といたって仲良くなるのに、時間はかからなかった。
三歳にとってかなり意外だったが、玲とはとても気が合い、趣味も話も盛り上がる一方だった。
その日もふたりは一緒に買い物をしようととあるショッピングセンターで待ち合わせ、ひとしきり遊んでカフェで話し込んだのだった。
その折、玲の携帯には柳下からの着信があったが、玲は怒ったように
「今日は三歳とふたりで遊ぶっていったじゃん!!邪魔しないでよね!!」
と告げていた。
三歳は柳下とふたりで会うことは毛頭ないが、玲づたいに話を聞いたり、愚痴を聞かされたりした。時には3人で出掛けることもあった。
電話を切って「全くもう、竜のやつめ」とぼやく玲を見て、三歳は思わず吹き出した。
「玲って変なとこ強気だよな」
笑いながらそう言う三歳に、玲は息巻く。
「どこが?なにが!?」
「そう言や、最初にアパートに連れてかれたときも、すっげー強引だった。」
「あれは豆腐がー!」
冗談めかして反論する玲に余計に笑えてきて、三歳は心がホッと温まった。
今では、三歳にとって玲は良き友人となっていた。
聖夜たちとは相変わらず連絡もとっていない。それでも三歳が明るく生きていけるのは、紛れもなく玲と柳下のおかげであった。
「玲、ありがとう。」
そっと呟いて、微笑んだ。
このふたりのように、自分も幸せになるのだと心に誓って、三歳は今日も笑うのだった。
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