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第2話 狼国

   北の大陸、狼国には、白金(プラチナ)狼の王がいる。  銀色の瞳に、白金色の獣毛を持ち、その血統は代々至高のαである。  彼が発情期を迎えるとき、王国に住む狼族のΩは等しく、その芳香にあてられて悶え苦しむという。  王が運命の番を見つけるまで、その苦悶は続き、中には命を落とす者もいる。  それほどの強い芳香を持つ狼族は、ただひとり白金王だけ。  彼だけが、最強のα狼として、あまねくこの獣人の世界に名を馳せている。  

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