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第8話
「おい、起きろ」
体を揺さぶられて目を開けると先生の背中が見えた
体を起こすと、いつもの痛み以外にも下半身の痛みが加わっていて 顔が一瞬歪んでしまったが、直ぐに笑顔を作って先生の方を向いた
でも先生は 僕の方をチラリとも見てくれない
昨日みたいに、頭を撫でて ほっぺにキスしてく
れるかもと思っていた僕は、心が ざわざわして落ち着かなかった
「学校遅れるぞ
あと、今日はちゃんと家帰れよ」
「…え⁇」
先生の一言に、心臓が冷やされる様な感覚に襲われた
言葉の意味は理解出来るのに、頭の中は真っ白だった
「…昨日は…悪かった」
どうして謝るの…⁇
僕は…
「…大丈夫です」
その後、先生が用意してくれた朝ご飯は、一口も食べる事が出来なかった
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