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第13話

「お前さ、俺のどこが良いわけ⁇」 次の朝、熱も下がった湊にそう問いただした 単純に刷り込みをしてしまった様な気がしてならない 「え⁇ 全部です」 あっけらかんと答える湊に、ブッと吹き出してしまった 恥ずかしい台詞をこうも簡単に言えてしまうのは、幼さゆえなんだろうか… 「不器用なのに優しい所も 僕を撫でてくれる手も……全部…好き…」 そう言って 頬を赤らめながら微笑えんでいる 無意識に艶やかな黒髪を撫でていた あー、可愛い 荒んだ心に 沁みるのなんのって 「…取り敢えず 今日お前ん家行くわ」 「え⁉︎」 「…あと」 目を丸くしている湊を グイッと抱き寄せると、頭を下げる様に言った 俺の言う事に素直に従う湊 その真っ白い項を撫でると、そこにガブッと噛み付いた 「…あ」 「これで 他の奴にお前のフェロモン感じ取られる事もないだろ⁇」 「…先生」 信じられないと言った顔で項を撫でる湊 少し潤んだ目尻に吸い付くと、俺の首に腕を回して抱きつかれた 綺麗な髪を梳く様に撫でると、ふぅと小さく息を吐いた 「…面倒臭いのも…悪くないな…」 細い身体を抱き締めながら、今まで口にした事のない台詞が 俺の口から溢れていた

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