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第12話
横芝 湊は 確かに鈍臭いかもしれないけど、素直で可愛くて、そんな所が 擦れた大人代表みたいな俺には、堪らなく魅力的だった
「…ん…ふ…」
口の中が熱い
小さな舌に吸い付くと、懸命に俺に応えようとするのが伝わって来て、更にしつこく求めてしまった
「…あ…せ…せんせ…」
口を離すと惚けた顔で自分の唇を触っていて、次の瞬間に 耳を疑う様な事を口にした
「…僕…は 初めて…キスしました…」
「…え⁇」
頼むから誰か嘘だと言ってくれ…
本気で俺 最低じゃん…
「…ゴメン」
「え⁇ え⁇ 何が…ですか⁇」
「いや…順番が ぐちゃぐちゃに…」
俺がうじうじと肩口に顔を埋めると 横芝の戸惑いの声と共に芳醇な香りが漂って来て、それを思いっきり吸い込んだ
反省はしてる
でも潤んだ漆黒の瞳に見つめられる度、華奢な身体に触れたくてしょうがなかった
「…お前…身体痛くないの⁇」
「…あ…えっと…」
痛くないわけないよな…
発情期中とはいえ、昨日俺に初めてを奪われ、こんなに傷や痣作らされて…
「き 昨日みたいな体勢の方が…良い…です…」
「…ん」
頭と腰に手を回し、ゆっくり身体を起こさせると自分の膝の上に乗せた
「熱は⁇ 辛いだろ⁇ 寄りかかってろよ」
「…はい」
頭を撫でれば 素直に俺に身を任せてくれて、愛しさが込み上げてくる
数時間前に突き放しておいて、なんて調子が良いんだろうと 自分でも思う
「…ん」
細い脚に手を伸ばして擦り上げれば、可愛らしい声を上げた
そのまま下着の中に手を入れて、熱を持っている塊を扱いた
「…あ…せ…せんせ…ぼ 僕…」
「イキたかったらイッて良いから」
「あ…あ…んんん‼︎」
手の中の白いな液体を見ながら、昨日イかせてやった記憶も無い事に気付き、自分自身に呆れ果てた
本当に コイツは一体、俺のどこが良いんだろうか…⁇
「…湊」
「…う⁇…え…あ…」
名前を呼ぶと 今日一番っていう位 顔を赤くしていて、何でそんなに可愛いのか問い質してやりたくなる
「…挿れて良い⁇」
我慢出来ずにそう強請れば、当然の様に頷いてくれて もう一度キスをしながら、ゆっくりと湊の中に侵入していった
「ん‼︎ あ‼︎」
「…熱」
形の良い後頭部を撫でると、涙を滲ませながら俺に擦り寄って来てくれた
「…せんせ…すき…すき…」
「…ん…俺も」
俺がそう返事をすると、ぽろぽろと真珠の様な
涙が零れ落ちていって、親指でそれを何度も拭った
「…せ…せんせ…気持ち…⁇」
「うん…ヤバイ…直ぐ イッちゃいそ…」
湊は 中まで俺に甘える様に吸い付いてきて、昨日もシタというのに、既に俺には絶頂の兆しが見え始めていた
「…良かった…嬉し…」
そう言って湊に微笑まれれば 下半身にダイレクトに響いて、俺はベッドのスプリングを利用して更に突き上げた
「あ‼︎ あ‼︎ 先生‼︎」
「湊‼︎ ごめん…イク‼︎」
俺が腰を震わせて荒く呼吸を繰り返していると、こてんと俺にまた身体を預けてきた
「…先生…キスしたい…」
「…ん」
今までした中で 一番たどたどしいキスは、今までした中で 一番幸せを感じるものだった
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