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第14話

(ちゃんと祝ってやりたいな) 自分だけは蚊帳の外みたいに思っていたけど、ちゃんと祝いたい。せっかく招いてくれたんだから。 「一緒に、シェフのお祝い行こうな」 小さく呟いて軽くキスをする。眠っていたはずの彼はむにゃむにゃ言いながら抱き返してくれた。 苦しいけど、まぁ、寝るか。 ーーーーー 3ヶ月後。 仕事のできる秘書サンは「せっかくお招きいただいたので、のんびりなさってください」なんて言葉を添えて、3週間の休みを調整してくれた。 たった1日の式だろうに、と思っていたけど、シェフのトコの国では平均1週間、長くても2週間は結婚祝いの休みを取って、ゆっくりお祝いするのが慣例なんだそうだ。 「そんでまたファーストクラスかよ……」 そうかもしれないとは思っていたけど、空港に着いた途端にスーツのおじさんの複数人の出迎えとすぐさま正面入り口とは違う入り口に通される。 「すまないハニー、ビジネスクラスで手配を頼んだんだが、冗談だと思われたらしい」 秘書サンにしてみれば、ファーストクラスが常の奴がビジネスクラスに乗るとは思わなかったんだろう。しかしその妻が飛行機にもろくに乗らない一般人だということまでは気づかなかったらしい。

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