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第13話

いつのまにか裸になっていた彼は、そのまま眠りについてしまった。それとなく腕から抜け出して、そっと布団をかけてまた腕の中に戻る。 (本当、でっかいガキみてぇ) 正面で向き合うように横になって、薄暗い部屋の中で眠る彼の顔をじっと見つめた。 穏やかな表情で眠る彼は、何の心配もないという様子でいびきもかかずに寝息を立てている。 そっとほっぺたに触れると、彼は何となく微笑んだ。 ふとしたことで彼と出会って、すぐにすれ違ってしまいそうなタイミングで再会して、今に至る。 思えば思うほど不思議な縁だったと思うけど、こうして毎日同じベッドで眠るのが当たり前になってしまうと、出逢うべくして出逢ったのかもしれないなんて、柄にもないことを心の底から思う。 (起きてから寝るまでずっと一緒にいるのに、それでも嫌にならないんだから不思議だよ) ずっと一人で過ごしてきたのに、彼と一緒にいるのは全く苦痛にならない。彼なんか俺以上に苦痛を感じていないみたい。 欠けてたものを補うみたいな関係というか、すごく収まりがいい。 男だからとか女だからとか関係なく、人として彼のことを尊敬して愛していた。 そんな彼との絆を深めるきっかけになった別荘で、ずっと俺たちのことを見守ってくれていたシェフの結婚。俺たちの恩人みたいなところがある。

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