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第150話
「この高さなら大丈夫だな」
気付いた時には、まぁまぁな傾斜がつけられていた。内臓が全部逆さになる感じがする。いつもこんなに体がそり返るほど角度つけられたことないんだけどな。
「ちょっと苦しい」
正直に言うけど、彼は適当に俺のほっぺたにキスしたくらいで俺の話なんか聞きゃしない。
「苦しいのは今のうちさ。すぐに気持ちよくなる」
本当に楽しそうに言うから仕方ない。少し前までしょんぼりしていたのが嘘みたいに。けれど、ころころと表情を変える百面相な彼に、どれだけ救われてきたことか。
「今日は奥深くまでお前を感じないと嫌なんだ」
彼はとろりと微笑んで、俺の返答を聞くでもなく大きく脚を開かせ、太い胴体を挟み込んでくる。
「だからいつもより苦しいかもしれないが、少しだけ我慢してくれ」
こういうときの彼には、なにを言ったってわかってもらえない。先端の潤んだ彼の下半身が俺のケツに擦り付けられると、俺の中の抵抗しようとする力が、一気に萎れて枯れていくのを感じる。
抵抗したところで、彼にはなにをしたって叶うわけがない。それって男としてどうなんだろうと思う時もあるけど、一人の人間として、そこまでリラックスできる相手に出会えたことは本当に幸せなことだとも思う。
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