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光射す午後に13

「なあ、あんた。月城…さん、だっけ?あいつは……どうしてんの?一緒に来てないの?」 ベッドの上で退屈そうに食べ残したりんごをフォークでつつきながら、ユウキ…和臣が首を傾げる。 月城は、残りのタオルを棚に仕舞って 「そうだね。彼は今、東京にいるよ。明日にはこちらに来る予定だけど」 「ふーん。あの人って何してんの?仕事は?」 「……気になるかい?樹くんのこと」 月城がそう言って顔を向けて微笑むと、和臣は慌てて目を逸らした。 「別に?ただ、助けてもらったからさ。あん時は俺、薬でぼーっとしてたし、ちゃんと会ってお礼言いたいだけ」 「君は、彼のことをもっと前から知ってたよね?わざわざ山形からやって来て、いろいろ調べたりもしてた。それは……君のお姉さんの為かい?」 和臣はちらっとこちらを見て首を竦め、 「言いたくない。あんたには」 「どうして?」 「敵か味方か、まだよく分かんないだろ。樹……さんに合わせてよ。俺、あの人にいろいろ聞きたいことあるし」 「僕は樹くんに頼まれて、君のことをここに連れて来たんだよ。信用、出来ないかい?」 和臣は胡散臭そうにこちらを睨むと 「あのおっさん。藤堂薫の叔父。あいつとあんた、昔から何か関係あるだろ?俺はあいつのせいで酷い目に遭ってるからね。あんたがどういう人間か、きちんと分かるまでは、絶対に信用しねえ」 月城は目を見張り、和臣の顔をじっと見つめながらベッドに歩み寄った。 「なるほど。君は、僕が思っている以上に、いろいろと知ってるみたいだな」 和臣は途端に挑発的な目付きになって 「だったら何?俺を消すの?」 月城は頬をゆるめた。 「まさか。そんな荒っぽいことはしないよ。僕はそういう組織の人間じゃない」 「でも藤堂薫の叔父は、あの人の……樹さんの敵だろ?」 月城は真顔になって、ベッドの端に腰をおろした。 「敵とか味方とか、そんな単純なものじゃないんだよ。彼と巧さんの関係も、僕と巧さんの関係も」 「藤堂薫。あいつはどうなんだよ?あんたや樹さんとの関係は。樹さんはまだあの男のことが好きなんだろ?」 月城は何も答えずに、しばらく黙って和臣の目を見返していたが、やがてふいっと目を逸らすと 「君が知っていることを全部話してくれたら、樹くんに会わせるし、出来る範囲で君の質問にも答えるよ」 「あんたが質問に答えるのが先だ」

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