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月の光・星の光4

「条件はそれだけか。欲がないのか他に思惑があるのか分からねえな、おまえは」 こちらの話を聞き終えた久我が、ニヤリと笑う。樹は内心ひやりとした。さすが久我はただのチンピラではない。 久我が手を伸ばしてくる。樹は瞬きをせずに久我の目を見つめた。 「……ふん。ただの可愛らしいお嬢ちゃんと思っていたが……なかなか面白いな。樹……と言ったか?おまえ、俺のものにならねえか?」 肩を掴んでグイッと引き寄せられる。 樹は何も答えず、ただひたすら久我の目を見つめる。 「そんなに兄貴が大事か」 「堅気の家族に迷惑をかけたくないだけです」 久我はにやにやしながら威圧するように顔を近づけてきて 「俺はおまえの兄貴には興味はない。だが、ユウキは別だ。あれは俺の女だからな。横からかっさらわれて、はいそうでかって訳にはいかねえぞ」 樹は微かに眉を寄せ 「ユウキくんも、ボクの家族です」 「いーや、違う。あいつは俺のもんだ。兄貴の方の条件はのんでやる。だが、ユウキは引き渡せ」 「それは……出来ません」 久我の手が尻に伸びて、両手でガシッと鷲掴みにされた。樹は痛みにきゅっと顔をしかめながら、久我の唇に唇を寄せた。 「代わりにボクではいけませんか?」 久我が片眉をあげる。 「……なに?」 「ユウキくんの代わりに、ボクではダメですか?」 久我はふんっと鼻を鳴らした。 「あいつの身代わりだと?本気で言ってるのか?」 樹はせつなげに眉を寄せたまま、こくんと頷いた。 「仕事があるので、ここにずっと飼われるのは無理ですが、呼び出しには出来るだけ応じます。それでは……ダメですか?」 久我の目にさっきと同じ欲情の色が宿る。尻を掴んだ指の力をゆるめ、いやらしく揉みしだき始めた。 「……ぁ……」 久我の手に双丘を揉みこまれながら、ぐいぐいと引き寄せられる。久我の股間に自分の前がぴったりと重なった。 「だったらおねだりしてみろ。おまえがユウキの代わりになるか、まずは味見してみねえとな」 久我は少し掠れた声で囁いた。押し付けられた彼の前は、スラックス越しにも分かるくらい盛り上がり熱くなっている。 樹は小さく吐息を漏らし、腰を揺らして擦り合わせた。久我の手が、パンツのウェストから中に差し込まれる。ゴツゴツした太い指が直接、柔らかい肉を鷲掴んだ。 「もっと煽ってみせろ。下品にだ。いやらしくその気にさせてみろ」 久我は少し息を荒らげながら、硬くなってきた前をグイグイ押し付けてくる。 樹はぎゅっと目を閉じると腰を自ら揺らし始めた。 こういう時はいつも、相手を兄だと思い込むようにしている。 大好きな薫に、愛撫されているのだと。 ……にいさん……。

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