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プロローグ ”ボクの話し”(編集済み)

 ボクは研究所育ちの獣人族。  イヤ、出来損ないの獣人だ。    自分ではけっこう自慢にしてる艷やかな白銀の髪も  右と左で色が違うオッドアイも、  お母さんにとっては嫌悪の対象以外の何物でも  なかったらしく。    生まれたばかりの頃、捨てられた。  出来損ない……人でもなく ―― 獣でもない。    奇人と言われる天才化学者達が幾度も試行錯誤を  繰り返した結果、突然変異で生まれた化物。  本来は繁殖用に研究・開発されていた存在なので。  雄としての外性器(陰茎・睾丸)も  雌として陰茎を挿入するための生殖孔(膣)そして、  子供を孕み育てる子宮も備えている。    この施設 ―― 青木ヶ原特殊遺伝子研究所自体は  政府の管理下に置かれ毎年一定額の補助金が支給  されてはいるが、えてしてこういった類の研究には  莫大な金が必要になるもので、その研究費不足を  補う為、貴重な研究対象であるハズの獣人達に  売春行為をさせ副収入を得ているのだ。      同じ仲間相手ならまだいい。    時には、倒錯した性癖を持つ権力者や富豪、  施設の幹部職員の慰み者になる事もあって    そんな時は無理やり外見を人間に変化させられ、  職員が飽きるまでその相手をさせられた。    後で知った事だが、繁殖用のクローンは出生順に  シリアル№として呼称が付けられ。  シリアル№A90以降のクローンは通常のクローン  より平均寿命が長い上に、知能も驚異的に発達した  と言われている。        ボクと同じようにして生まれたほとんどの仲間たちは  第二次世界大戦中に軍用犬として最前線に配置され、  生命を失った。    初めて出来た親友の銀牙、  施設内でのルールを色々教えてくれたビッグベン、  そして、まだ小さかった弟達までもが……。    そうゆうボクだって、  今の平穏な生活に辿り着くまでかなりの危ない橋を   渡ってきた ――。  

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