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宣告

それは突然の出来事だった。 俺はいつもいつも空気として扱われてきたはずだった。 物心がついた時から両親からは話しかけられることもなく、話しかけても素っ気ない返事か無視をされるばかり… でも、俺の家は所謂金持ちってやつで 食べるものには困らず、欲しいものは手に入るから別によかった。 いや、むしろ俺は幸せだった。 だから、こんな宣告を受けるなんて予想もしてなかったし、第一俺は男だし、相手も男だ。 それも会ったことも話したこともない。 ただ名前を知っているだけの男… 『そんなのおかしい』 『嫌だ』 『そいつの嫁に行くぐらいなら死んだ方がましだ』 なんて言えるはずもなく、俺は親の言うことを聞くしか術がなかった。

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