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本性
お腹すいた…
机の片隅にちょこんと座ってるいる俺のスマホ。
それを手に取ると、ちょうど12時を回ったところだった。
こんなに寝たのなんていつぶりだろう。
と、こんな感じに部屋の隅々まで物色しても、橋本さんはこの部屋に来ることはなかった。
窓の外がオレンジ色に輝き始めたころ、橋本さんがやっと来た。
「愛斗。」
「…っ…橋本…さん?」
何故か俺は触っていたスマホを自分の後ろに隠した。
「何隠したの?」
「え……別に何も…」
しかも嘘までついてしまった。
「嘘なんかついてないで、本当のことを言って。」
「自分の…スマホ……」
そんなドスの効いた声で言われたら言っちゃうよね。
というか、最初から隠さなかったらこんなことにはならなかったのに。
「ねー、愛斗。なんか勘違いしてない?」
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