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第4話
「なぁ、兄貴。今日さ帰りに一緒にいた奴誰?」
リビングでソファに座りテレビを観ている兄貴の隣にドカッと座ると聞いてみた。
兄貴は少し考えると思い出したかのように笑う。
「可愛い子だろ?美術部の後輩だ。」
「可愛いかは分からないけれど楽しそうに笑ってたからさ兄貴もアイツも笑ってた。」
「そんなに気になるのか?珍しいな唯斗。確か唯斗と同じクラスだ。知らないのか飯田奏(いいだかなで)君だ。」
飯田奏。
そんな名前だったんだ。
名前が分かり何故か嬉しくて顔がにやけてくる。
「おかしな奴だな唯斗。顔にやけてるぞ!」
「ニヤケてなんかないし、アイツじゃなくて飯田奏だっけ?クラスではいつも1人で笑ってるとこなんて見た事ないから兄貴と笑ってるの見て驚いてんだよ。」
「奏君はいつもお日様の様にキラキラと笑う子だ。笑って無いとか驚くよ。」
お日様みたいに笑うって何を言ってんだよ。
俺は飯田奏の冷たい目で他のクラスメートを見ている表情しか分からない。
だからあんなに微笑んでたり楽しそうに笑ってる飯田奏が気になったんだ。
気に・・・なった・・・・あまり他人に興味を持たない俺が?
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