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第3話
夏休み前の夕暮れのグラウンドいつものようにサッカーのキツイ練習を終え部室に着替えに向かう途中だった。
微かに甘い香りがして来る。
この匂いには憶えがある確か・・・アイツの!?
匂いがする方を見ると楽しそうに笑いながら歩いているアイツが居た。
隣には俺の兄貴?
優しくアイツに笑いかけてそれに応えるようにアイツは笑い返している。
俺には冷たい目をして見ていたのに同じαの兄貴にはそんな顔で笑うんだ。
αなんて嫌いだと言わんばかりの冷たい目で見られた事を思い出していた。
なんだ?
モヤモヤして来るしこのイライラしてくるのは何だよ!
今までに感じた事のない感情に戸惑いそしてアイツからする微かな甘い香りがハッキリとした匂いに変わったのだ。
アイツ・・・もしかしてΩ?
Ωなら冷たい目で俺を見たのも納得できるかもしれない。
きっと警戒しての事だと思う。
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