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第17話
「奏、夏休み行きたい場所あるか?」
「唯斗君と花火がしたい。」
「いいな!花火大会とか行かないか?」
「行きたい!」
あの日から屋上の風通しが良い日陰の場所が俺と奏の2人だけの空間になっている。
あと数日で夏休みになる。
俺はサッカー部の部活があり遠征の試合があるから奏
と会う日が少ないのだ。
だから少ない日数で夏休みの思い出を作ろうと話していた。
「夏休みなんていらねぇ〜。奏と会えない日が増えるなんて耐えれねぇ〜。」
「ふふっ。」
「なんで笑うんだよ。」
「僕も同じ事考えたからだよ。学校に来るの苦痛だったけど今は唯斗君がそばに居てくれるから学校が好きになった。」
青空を見上げながら奏がそう言った。
「奏。」
「何?唯斗君。」
奏が見上げていた顔を俺に向けた瞬間に奏の唇に軽くチュッと音を立ててキスをする。
目をパチクリとさせて暫くすると柔らかく笑いかけて来る。
兄貴に見せていた以上の笑顔を俺に向けてくれる奏は陽だまりの様に暖かな気持ちにさせてくれる。
陽だまりは奏で奏は俺だけの陽だまり。
「愛してるよ奏。」
これから俺達は2人で悩んだり悲しんだり喜びや幸せ色んな事を感じて行くんだ。
これからもよろしく愛おしい奏。
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