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第16話
バァンッ!
勢いよく屋上のドアが開くと兄貴と親友が血相変えてヅカヅカと近寄ってきた。
『何やってんだ!!』
綺麗にハモった。
「見りゃわかるだろ?イチャついてたんだ。俺の番だから触るなよ。」
俺は後ろから奏を抱き締めて頭にキスを落としながら言うと兄貴と親友は固まってしまった。
「唯斗君。」
「心配するなよ。俺がこれからは奏を守るから安心してろよ。」
「うん。ありがとう唯斗君。」
奏の顔が見れないから分からないが耳は返事をしながら真っ赤になって来ていた。
この後、俺と奏は屋上で正座をさせられ兄貴と親友にお説教をされる羽目になった。
殆ど聞いてはいなかったが発情期だけは学生の間は気をつける様にと繰り返し言われて念を押された。
それだけ俺や奏の事を心配してくれてるんだと嬉しくなった。
最後には兄貴も親友も「良かったな。」と言って笑ってくれたんだ。
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