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第5話

「良いじゃん!もうこんだけキスもして一緒に酒盛りもしてる仲でしょ!?条例なんかクソくらえだ!もう今更だよ!! 「そうじゃなくて!!」  設楽のそこは、もうダラダラと涎を垂らし、大竹のズボンの前立てをいやらしく濡らしている。大竹の体にすりつけただけでこの体たらくだ。早く触って欲しくて我慢できない。 「そうじゃなくて、何なんだよ!ね、話しは手短にしてよ?俺もう爆発しちゃうよ!」 「だからいつも言ってんだろ!お前とそうなったら、学校でお前を他の生徒と同じに扱えなくなるに決まってるって!この状態ならまだなんとか踏みとどまれるけど、これ以上になったらもうそんなの無理だって!俺の中には教師として越えられない一線ってのがあって、それ超えちまったらもう教師なんて続けらんねぇよ。頼むよ設楽。俺だって我慢してるんだから……!!」  大竹の必死の顔に、なんだか胸がキュゥっと来た。   先生が俺のために我慢してるとか……!!  うわ……、先生、そんなご馳走みたいな顔……!!!  いやいやいやいやいや。ダメダメダメダメダメ。  落ち着こう。ちょっと自分、落ち着こう。  設楽は大きく1つ息を吐いて、大竹の顔から視線を外した。  確かに、設楽は学校でも自分が他の生徒に比べて大竹の「お気に入り」だという自覚はあり、それは他の生徒からも「大竹に懐いている」とからかわれるほどだ。多分、これ以上学校で大竹が自分を特別扱いしたら、それは大竹の校内での立場を危うくし、自分もからかわれるだけでは済まなくなるだろう。それはやはり避けるべきだと、多少時間が経って酔いが醒めてきた今なら分かる。  分かるけど。  ……頭では分かるんだけど……。 「じゃあ、ちょっと撫でるだけで良いから!」 「だから!!」 「マジでちょっと撫でるだけ!ちょっと触るだけで良いから!!そしたら俺、その手の感触をオカズに、こっから卒業するまで耐える!本当に耐えるから!!!」  大竹の前に晒されてる設楽の息子は、もう本当に爆発寸前らしい。まず、そのカウパーを拭いてくれ!!あちこち垂れてるから!!なんだその分泌量!高校生マジハンパねぇな……!  大竹はカウパー腺液で出来たラグのシミと設楽の真剣な顔を交互に見交わして……そしていきなり立ち上がった。 「先生!?」 「……手、洗ってくる……。飲み食いして汚れてるから……」 「え?」 「汚い手で触って、炎症でも起こされたら困る」  大竹の顔が真っ赤だ。首の後ろまで赤くなっている。  え!?それってひょっとして…… 「いやあの、そんな気を遣って貰うようなモンでもないし、俺いつも手なんか洗ってから扱かねぇし、ちょ……待って先生、ここで放置!?せっかく触ってくれる気になったのに!??!??」  スタスタと洗面所に向かってしまった大竹の背中と、自分のぶるぶる痛いほどに張りつめた息子を交互に見る。それから、先程の大竹の意を決した顔を思い出す。  先生……俺のちゃんと触ってくれようとした……。  それだけで嬉しくて、ぎちぎちになったそれを「良かったな、お前」とちょっとつついたら……。  ……その後の惨事は思い出したくない……。  ちょっとつついただけの刺激で、そいつが簡単に暴発したとか。  大竹が戻ってきたときには尻丸出しでラグに飛び散った濃い奴を必死に拭っていたとか。  大竹の厭そうな顔とか。  その後の堪えきれずに大爆笑された顔とか。  もう死んでも思い出したくない……orz  取り敢えず設楽は、もう2度と寝技で後れを取らないように、肉体改造に励むことにした。  いつか来たるべき、卒業の日を迎える時のために……。  ~おしまい!~

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