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第57話
剣聖side
「朱夏?朱夏!?」
電話を切って話をしていたら朱夏が意識を手放した。
突然の事で驚き急いで近くの病院に運んだ。
外傷は腹の打撲痕のみ。医者に言わせると急激なストレスからだそうだ。
今日1日入院して何もなければ帰宅できるそうだ。
一先ず安堵したのだが…気になったのは俺と瑠樹亜の関係を必死に気にしていること。
俺と瑠樹亜の仲に愛と言うものは存在しない。
昨日の晩、瑠樹愛は薬を飲まされていた。相手が瑠樹愛のタイプではなくてそっちもヘタだったみたいでうまいこと言って帰宅したのだが強めの物だったようで帰宅した途端理性が切れ俺に乗ってきた。
いつもの余裕はなく獣のように腰を振る瑠樹愛が収まるまで付き合った。この手の薬はやって出さないと苦しくておかしくなってしまう。だから仕方なくだ。
あの日以来…とは言えまだたった数日だが俺たちは外では勿論だが誰とも体を重ねていなかった。
朱夏の目に俺たちは恋人にでも見えているのだろうか?あんなに愛をささやいても伝わっていないのだろうか…
取り敢えず買い物をしているであろう瑠樹愛に電話を再度かけた
「もしもし」
『剣聖さーん。今いつものスーパーですよ。もうすぐ着きます』
「朱夏が倒れた。大したことはないらしいが今日は念のため入院だそうだ」
『え!?』
「悪いな」
『病院どこ?』
「中央病院」
『いきますね』
「あぁ。部屋は5階の一番奥」
『はい』
病室に戻り朱夏の寝ている側に腰かける。
時折苦しそうに呻く朱夏の髪を鋤くと表情が柔らかくなる。少しでも俺といること安心してくれているのだろうか?だったら嬉しい…
朱夏…好きだよ…お前だけ…どうすればいい?
そっと口付けて手を握る
そうして暫くすると瑠樹愛がやって来た
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