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第61話

二人が帰ってもう一度目を閉じる… 俺は二人の邪魔ではない?じゃあ…あの久米の恨みがましい表情は何? 光を失ったような…そんな顔してた久米が気掛かりだ… 結局その後はあまり眠れず朝を迎えてしまった 退院の許可が降り帰宅の準備をしていたら扉が開いた 「おはよう。白木くん」 「部長?どうして?」 先日退職した部長が来て驚き固まる 「あっはっは!驚いたかい?たまたま用があって会社に連絡したら君が入院したときいてね。今日は私は検査でここに元々来ないとならなかったから終わり次第寄ったんだよ。車で来たから送るよ。それと君は今日から十日間有給だと」 「え?」 「新しく来た部長は古くからの友人でね。君のこと心配していた。有給が多く残っているからたまには休んで欲しいそうだ」 「そんな…俺もう平気なのに」 「気晴らしにどこか遠出でもしてくるといい。そういえば和水くんとは友人だっただろ?彼も心配していて明日から有給をとったらしいから昔話に花を咲かせてもいいかもしれないね。今日は外せない会議でここにはこれないみたいだけどね」 「お疲れ様でーす」 元気良く聞こえた方に視線を写す 「おー!久米くん!久しぶりだね。ってたった数日だけどね」 「財前部長!?どうしたんです?」 「今日はたまたまここに来てたから白木くんの顔を見に来たんだよ」 「そうなんすね!俺和水さんに言われてチーフを送ろうかと」 「そうだったのかい?じゃあ余計なお世話だったな。すまんすまん。二人の顔が見れて良かった!白木くん。あまり無理はしないようにね」 「はい。わざわざありがとうございました」 「ゆっくり飲みにでも行こうな。じゃあ。久米くん白木くんをよろしくね」 立ち去る後ろ姿…もう胸の痛みは感じなかった。きっとあの日であの恋には終止符が打たれていたのだろう 部長の姿が視界から消え久米を見る 「久米?どうした?」 怖い顔をした久米に多少の恐怖を感じる 「何でもないすよ!帰りましょうか。俺たちのとこに来ます?心配だし」 「大丈夫だ。家に送って貰えるとありがたい」 「どうして?」 「え?」 「いえ…何でも…行きましょう!…と…その前に…」 そっと触れるだけのキスを仕掛ける久米の綺麗な顔に目を奪われた 「お前はやっぱり綺麗だな」 「ありがとうございます。じゃあ俺だけのになってくれればいいのに。俺だけ見ればいいのに…」 「ごめんな。まだ答えは出ていないんだ…もう暫く考えさせて」 「はいはぁい。んじゃ行きましょ」 久米の車に揺られ帰宅する。会社に電話をしたら先ほど言われた通り十日間休めと言われた。 もう大丈夫だと伝えてもその決定は覆らなくて渋々休むことにした 「朱夏さん!キッチン借りますね。お昼簡単に作っちゃうんで」 「ありがとう。お前は仕事は?」 「半休です」 「そっか。わざわざ悪いな」 「いいえ!朱夏さんといられるから全くもって問題ないです」 数分で運ばれてきた食事をゆっくりと平らげて片付けまで久米がやってくれた 「ありがとう」 「いいえ。いいんですよ。これくらい。それより…朱夏さんを抱きたいです」 「は?」 「ダメ?」 言うが早くラグの上に押し倒された 「お礼頂戴?朱夏さん」 「…ごめん。気分じゃない」 「剣聖さんには触らせるのに俺はだめなわけ?」 「え?」 「昨日うちでお楽しみだったでしょ?朱夏さんの匂いしたし」 「…新戸部に触られたところ。上書きしてもらってた」 「…剣聖さんはいいのに俺じゃダメ…嫌だ…触りたい」 「久米…わかった…でも激しくはできない…」 「大丈夫。俺が全部やるんで」 流されるままに久米に暴かれていく…やっぱり久米の触り方もたまらなく優しくて気持ちいい。欲望に忠実な体は熱を持ちもう快楽に落ちていた 「ねぇ。朱夏さん。俺も朱夏さんのこっち使っていい?」 後ろを撫でながら甘く囁く久米の言葉に頷く 「いいよ…」 ふわりと安堵したように笑った久米はやっぱり綺麗で見蕩れてた。 「あとで俺のここにも頂戴ね」 「ん…」 久米の律動は先輩とは違う。でもやっぱり気持ち良くて高みを目指す。まさに放とうとしたとききゅっと俺自身を強く捕まれ行き場を失った欲が中で逆流する 「ん…な…で…」 「もう少し朱夏さんの中にいたい…お願い…我慢して…」

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