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第60話

南の夢を見てた… 「朱夏!大好き!」 ぎゅうぎゅうと抱き締めてくれた体に温もりなんかないけれど… 南…ねぇ…俺…お前のこと大好きだった… 「知ってる!ごめんね!追いてっちゃって…朱夏は責任感強いから俺のことまだ引き摺ってるんでしょ?」 …南… 「朱夏は何も悪くないんだよ。俺が弱かっただけ。お前に愛されてあのときで満足しちゃっただけ。ごめんね。ごめん…お前と一緒に生きる選択できなくてごめんね。」 そんな顔しないで…南… 「泣かないで。朱夏。ねぇ。朱夏。お前のこと本当に思ってくれる人の気持ちを素直に受け取って。大丈夫だから。お前はちゃんと愛されてる。邪魔になんてならないしお前が悪いとこなんか何もないんだから。ちゃんとお前を思ってる人を見詰めて。ね?朱夏。大丈夫だから。大丈夫。大好きだよ…だから…もういいんだ。幸せになって。」 急激に視界が開けていく。南の姿が消え去りすぐ目にはいったのはずっと俺のことを想ってくれていた先輩の顔。 あぁ…こんなに心配させたんだ…こんな顔初めてみた。いつも飄々としてるのにね。ごめんね。先輩 先輩の後ろには久米がいる。久米にもお礼言わなきゃ…そう思うのに先輩が離してくれない。久米? ぼんやり見える久米の顔がどこかいつもと違う。どうした?ねぇ?聞きたいのに聞けないでいた

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