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第93話
先輩に拒否されてしまった…先輩…やっぱり嫌だった?俺の醜い思いが伝わってしまった?
ごめんなさい…ごめんなさい…置いてかないで…嫌だ…先輩の言うこと何でも聞くから…だから…置いてかないで…
俺から離れた先輩はフロントへ電話をかけた
「すいません。救急箱ありますか?お願いします」
電話を終えて先輩が振り返る
「朱夏…っ…お前…何て顔してんの?ほら。おいで」
自分がどんな顔してたかなんてわからない。でも先輩が困ったように眉を寄せた
「朱夏。」
動けずにいた俺の元に先輩が戻ってきてくれた
そしてふわりと抱き締めてくれて額に唇を落とした
「朱夏。俺はね、お前に怪我させたくないの。あんな無理矢理したら怪我しちゃうでしょ?俺普通の人よりでかいし!」
ニカッと悪戯っ子の様に笑った先輩につられて笑う
「何それ!自慢?」
「まだ俺よりデカイ奴には会ったことねぇからな。お前もデカイ方だけどさでもほれ。違うじゃん?」
「うーわぁ。嫌味?酷くないすか?」
「その形とサイズで色んな奴と寝てきたんだろ?」
「…まぁ…そうすけど」
「否定しねぇんだ?」
「事実ですから。気付いてなかった?俺が遊んでたの」
「全く気づかなかったな。ショックー…」
泣き真似する先輩。似合わなすぎる…
「ははっ!似合わねぇ…」
「うるせー。でもよく遭遇しなかったなぁ。お前も男探してたんだろ?」
「あぁ。俺店とか使ったこと無いんで。出会い系かナンパされてたんすよ。コミュニケーション力そんなないんで店とかで話して先に進むなんて俺には難しいだろうし」
「はぁ?いつも成績上位なお前が何言ってんだ?」
「仕事は仕事だからできるんすよ。プライベートになったらからっきしで…」
そうこうしているうちに救急箱が運ばれてきた
「お。あったあった。」
先輩が取り出したのは軟膏だった。
「流石にさローションは頼めねぇしな。これで少しでも楽になるだろ。まだやる気あればだがなけりゃあしなくていいぜ。言ってんじゃん?どんな形でもお前の側は譲ってやらないって。だから無理にしなくても俺はお前の側にいるんだからそんな不安になるなよ」
「…気付いてたの?」
「当たり前でしょ?」
「先輩…」
「寝るか。お前寝てねぇし。」
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