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第25話
目覚めると、自分の部屋に戻っていた。
身体が綺麗になっている。
腕には注射の跡があるから、きっと抑制剤を打ってもらったのだろう。
「ミシェル、そこにいる?......きて?」
少し大きめの声で呼ぶと、ドアががちゃっと開いた。
やっぱり、すぐそばに居てくれてたみたいだ。
「レナ様、気分はいかがですか?」
「いい感じだけど......立つのはしんどいかも」
発情期のせいじゃなくて、昨日のセックスのせい。
抱いてもらえたのは嬉しかった。
でも、シャルル様は僕のフェロモンで興奮しただけで、僕が好きなわけじゃない。
僕じゃなくても、Ωなら良かったってこと。
それは、ちょっと悲しいかも。
「今回の件、本当に申し訳ございませんでした。もっと、ラウールを警戒すべきでした」
「ミシェルのせいじゃないよ。それに、促成剤を飲んでなくても、いずれ来ることは間違いないから」
「そういう問題ではないかと......」
「ミシェル!絶対に、勝手に辞めたりしないでね。僕はミシェルが大好きだよ。もし辞めたら、一生恨むからね」
いつもミシェルがしてくれるみたいに、手を精一杯伸ばして頭を撫でる。
ミシェルは驚いたように、目を見開いた後、そっと微笑んでくれた。
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