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初夜
「やっ、琥珀さまっ! 俺がっ!!」
俺が琥珀様を抱きたいのに!!
そう口にしようとした時だ。
琥珀様の指が前立腺に触れた。
琥珀様はビクンと震える俺の姿を見過ごさなかった。
「この凝り。ここだろう? 感じる部分は……いつも守ってくれているから、たくさんご褒美をあげようか」
内壁を弄る指が、もう一本増えた。
「あっ、っひ!!」
「良い子だね」
グリグリと前立腺を掻き混ぜられ、襞を押し広げるようにして不規則に動く。
刺激された俺は、淫らに屹立している陰茎から雫を垂れ流した。
「あっ、あっ、やっ、だめっ、なかっ!」
達してしまうからと睨めば、しかし琥珀様は妖艶な笑みを浮かべ、俺を見つめている。
「涙目で睨んでも煽っているとしか見えないよ?」
言った途端、指が三本になった。
思いきり掻き混ぜられたら、もう何も考えられない。
俺の先走りが中で掻き回され、ツプン、ツプンと濡れた音を弾き出す。
「っひ、あっ、ああっ!!」
「蒼……」
琥珀様は、乱れる俺に興奮してくれたのか、着物の割れ目から肉棒を取り出した。
押し倒していた俺の体位が変わり、今度は俺が下になる。
指が消え、次にやって来たのは熱を持つ太い肉棒だ。
「たくさん褒美をやろうね……」
襞を掻き分け、ひと息に貫かれた。
琥珀様の熱い迸りが最奥で注がれる。
「ううっ、あつい、こはくさまっ、あっあああああっ!!」
体内に流れ込んでくる琥珀様の愛液に溺れるようにして、俺も白濁を放ち、沈んで行く……。
……何故、こうなってしまったんだろうか。
俺が琥珀様を抱く筈だったのにまさか抱かれる方だなんて……。
琥珀様に抱かれた恥ずかしさから余韻で震える唇を指で隠し俯いていると、彼の微笑む気配がした。
「蒼は可愛いね」
恥ずかしいから目だけを向けて見上げれば、彼はにっこり微笑んでいる。
骨張った指が俺の短い髪を梳く。
「っつ!!」
ああ、不味い。琥珀様に抱かれるのも悪くないと思っている俺がいる。
もう、完敗だ。
琥珀様はもしかすると敵に回すととても厄介かもしれない。
そう思った初夜だった。
**忍び頭の誤算・END**
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