6 / 7
忍び頭の誤算
◆
俺は琥珀 様の薄い唇を割り開き、自らの舌を侵入させて口内を蹂躙する。
美しい絹のような黒髪に指を通し、髪の一本一本さえも自分の物だとたしかめる。
琥珀様から香ってくる、この甘い匂いは何だろう。
夢中になって舌を絡め、吸い上げる。
琥珀様のくぐもった低い声と、舌を交える唾液の水音が俺の耳孔を攻め、下肢が熱を持つ。
抱きたいと思っていた琥珀様がようやく手に入るのだ。胸が早鐘を打つ。
「ん、んぅうっ?」
ちょっと待て。何かがおかしい。
それに気が付いたのは、もうしばらくしてからだ。
琥珀様の手が、何故かあらぬ方向で動いているのを感じた。
あらぬ方向というのは……俺の尻だ。
琥珀様の手が、俺の尻を揉んでいた。そうかと思えば、指が中に侵入してきた。
「んっ、あっ!!」
異物感が俺を襲う。だが、けっしてそれだけではなくて、全身が痺れるような感覚だ。
「可愛い俺の蒼 」
身じろぎをしながらも接吻に酔いしれていると、琥珀様の指は袴をくぐり、俺の陰茎をなぞった。
亀頭に触れられると、全身が疼く。
「っは!!」
俺の口からおかしな声が出た。
「ちょっ、なんでっ!?」
慌てた時にはもう襲い。俺はいつの間にか袴を抜き取られ、下半身があらわになっていた。
「何故って、俺が君を抱きたいから、こうしてここを解して……」
「んっ、っひ!」
……ツプン。
俺の先走りを纏った琥珀様の指が音を立て、尻の孔に入ってくる。
指はゆっくり、中を掻き回すようにして襞を押し広げながら進む。
ともだちにシェアしよう!