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第38話 ニールは愛を注ぐ

抱えていたアサの脚を降ろし上半身を重ねれば、力の入らぬ指先が俺の首にまとわりついた。 「ンッ、ニールッ…」 齧り付く勢いで唇を合わせれば、ぎゅっと締め付けられる。積極的に絡みついてくる舌は熱く、触れる度に身体の芯が痺れるような感覚に陥った。 ずっとこうしていたい。 腰を揺れ動かしながら、下半身に感じる快感より、アサの「好き」に温められた心が何よりも心地よく、終わりなど来なければいいのに、という不思議な感情が湧き出てくる。 何度か絶頂を迎えたのだろうか、アサの性器からはゆっくりと白濁が流れ出ていた。腹に感じる粘液がぬめぬめと滑りを増していく。 「アサ、大丈夫か?」 呼吸が速さを増すと、口付けの合間に漏れる喘ぎ声が一段と高くなってきた。苦しそうに眉間にシワをよせ目を瞑るアサは与えられている快感に耐えられないのか、シーツを掴み、脚をバタバタと動かし逃げ出そうとしている。 「イッ、アァン――――――!!!」 身体を押し付けるように体重を乗せ、腰を押し進めると華奢な背中が反り返った。 胸の下で力を抜いたアサの中は絶頂を迎えたのか痙攣し、何とも言えない快感を与えてくれる。 「ダ、メッ、ニールッ!オ、ネ、ガッ。ン――――!」 「あともう少しだからっ」 体を押し付け、叩きつけるように腰を動かせば、打ち付けられる肌から乾いた音が響きだす。 この行為に対する戸惑いなど、もう頭の隅にも残っていなかった。 只々、俺を求め手を伸ばすこの子に愛を注ぎたくて、本能に身を任せ、熱に酔うように動いていった。 気が狂ったように抽挿を繰り返す俺の動きに合わせてゆらゆらと揺れるアサの唇は唾液に濡れて輝いている。 「っ!アサっ」 こんなに気持ち良いことを体感したことがあっただろうか。射精後の気だるさが甘い痺れを生む。 ぐりぐりと放った愛液をすり込むように腰を回せば、小さな身体がビクビクと揺れ動いていた。 「好きだ、アサ」 両腕でアサを抱き、頬に唇を合わせれば、瞼を赤くした少年の穏やかな表情が目に入った。疲れてしまったのか意識を失った身体は、羽のように軽く、硝子のように脆い。 「どこにも行くなよ」 数カ月前に船に現れた少年は、俺の毎日に光を灯す温もりとなり、今日一生放せない宝となった。

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