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第79話 アサのひとり言

――ショーンとケンが甲板で話している頃  んー眠い。  寄港で泊まっていた土地から乗船しゆっくりと船が陸を離れだすと、僕は僅かな船の揺れに身を任せこくこくと夢の世界へと引きずり込まれていた。  ニールは乗船前から仕事だと言い、船に乗るまでは一緒だったケンもどこかへ行ってしまった。だから僕は今部屋の寝床で一人、横になっている。  この疲労感は、ここ3日間で起きたことが原因なんだろうな。母国の人たちに会い、帰国を考え、この機会を逃したら会えないのではないかもしれない両親や友人のことを想った。それでも、その中でニールと離れるという選択肢を選ぶことが、最終的には不可能であるということが分かって…  とにかく、この3日間は精神的にとても疲れる3日間だったな。  ぐーっと頭の上に両腕を上げ体を伸ばすと腰に微かな痛みを感じる。  ああ、そうだ…疲れているのは精神的なことのせいだけじゃなかったんだ。昨夜、4人で夕飯を食べに行き、宿屋に戻ってから荷物をまとめたり、ニールとおしゃべりしたりしていて…気づいたら、ニールが優しく僕に触れだして、その心地よさに流されてしまって僕も彼の体に触れていたんだ…  そうしたら、なぜだか分からないけど体の芯がぼーって熱くなるような感じがして…僕の腰に触れる指先、いじわるに僕の舌に吸い付く唇、それに、えっと…そのまま触れ合ってたら、うん…僕の中にニールが入ってきて…  ああ、だからちょっと喉も痛いのかな。だって、声我慢できなかった。始めはいつも、少し痛いんだ。んー、痛い、ではないかな、圧迫感かな。ちょっと眉間にしわが寄って声が漏れだすと僕の体を包むニールが心配そうに頭を撫でてくれるんだ。  だから、僕は「ダイジョブ」って答えるんだけど、そうするとゆっくり優しくニールが腰を動かし始めて…中を抉られる感覚が気持ちよさに変ってくると「イイコ」って褒めてくれる。  でも、なんで褒めてくれるんだろう。だって僕は声を我慢したくて口を閉じているのに、ずんずんっていっぱい擦られていくと、耐えられなくて思わず声がでちゃうから…「イイコ」なのかなぁ…うるさいんじゃないかって時々心配になる。  ん…考えていただけで、顔が熱くなってきた。あれ、体もポカポカするな。    少し頭をもたげ始めた体の一部を隠すように太ももを動かすと、ちょうどよく擦れて気持ちいい。  どうしよう、ニールは仕事中でここにいないのに、ニールのことを考えていたら体が反応しちゃったみたい。  そろっと右手で触れるとびくりと腰が揺れた。 「んっ!」  布越しにふれたソレは硬くなってきてる。 「はぅぅ」  上下に滑らせた指から伝わる快感に僕は声を漏らした。  もうちょっとだけ、すぐやめるから。  なぜだか分からないけど、一人でやってはいけない行為のような気がする。でも気持ちよくて、動かし始めた手は止まらない。  「っあ!」  湿ってきた布越しに鈴口付近を触れると腰が浮いた。  うぅ、どうしよう…

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