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第128話 船長のヤリたいこと*

「動いちゃダメ」 「不公平じゃないか?」 「ダメって言ったらダメなの」  何の修行だよ、と天井を仰ぎ見るとミリの整った瞳がギリッとこちらを睨みつけてくる。俺の体に体重を預けた恋人は、右手を後ろに伸ばして厭らしく体を捩らせながら熱い吐息を漏らしていた。 「俺がやったほうが早い」 「セブはそのまま座ってて」 「手伝わせてくれ」  このやり取りをし始めて何十分たっただろう。  肩に預けられた左腕と頭、視線の向こうで上下する尻が、ベッドに座ったまま身動きが取れない俺を誘惑してきていた。  やると言い出すと何でも他人に手を出させない性格なんだよな。男らしい性格で、ほれぼれしてしまうことが多々あるんだが、こういう時だけは俺にも手伝わせてほしい。  いや、今のこの状況に文句があるというわけではない。  恋人が真っ裸でこんなことをしていて、文句を言うような男がいたら俺の前に連れてきてほしい。俺を喜ばせようと大胆なことをしてくれてるんだぞ?涎垂らして喜ぶところだろ。 「セブ…3本、入った」 「…エロいこと言うな、ミリ。我慢できなくなるだろ?」 「ふふ…我慢できないの?はち切れちゃいそう?」 「お前なっ!」  と言葉を発した瞬間に、背中がボスンっと音を立ててマットレスに倒れる。絶景を見ていた俺の瞳は今自室の天井を捉えていて、ああ、水漏れの時のシミがあそこにも…とか余計な雑念が頭を行ったり来たりした。 「セーブ?気が反れちゃった?やめる?」 「は?何言ってんだ、やめるわけねーだろ。ここでやめたら俺の息子がかわいそうだ」 「またバカなこと言ってる」  嬉しそうに俺の下腹に馬乗りになったミリは、金色の長髪を器用に頭上でまとめた。 ——天使降臨  って口に出すとミリが怒るから言わないが、俺の恋人は天使だ。  その天使の体を汚せるのは俺だけ。  なんてありがたい恩恵が俺に与えられているんだ。一生分の運を使い切ったな。   「わっ、だめっ、あぁんっ、んっ!」  細すぎる腰を優しく撫で、その先にある割れ目へと指を走らせると、馬乗りの天使が慌てて頬を赤らめた。  熱くて柔らかい蜜壺の入り口をぬるりぬるりと擦るように円を描けば、ミリの喉が反り返った。 「で?いつになったらここに挿れていいんだ?」 「ぅんんっ!もう、バカ言ってないで早くぅ!」 「そんなにバカバカ言わなくても良くないか?」 「さっさと黙って挿れてよ!」  怒った顔も綺麗だとか、今本人に言ったらビンタされそうだ。小さいくせにパワフルなんだよな、ミリのビンタ。 「自分で挿れてくれるんじゃなかったのか?」 「…ぁっ!ん…でもぉ」 「ああ、お前がこんなに良い顔がするって他の奴らに教えてやりたいよなぁ。端麗なミリさんの顔がここまで崩れるんですよーって」 「セブのバカ!早く挿れてよぉ!」  焦らせば焦らすほど、ミリの瞳が濡れていく。  無意識か前後に揺れる華奢な腰が、ぐりぐりと俺の股間を摩っていく。  本気で他の奴らに見せる気はこれっぽちもないけどな。  そういうと頬が余計真っ赤になって可愛いんだ。 「ほらミリ、しっかり支えて腰を落とせ」  真剣な顔で伝えると金色の眉毛が八の字に落ちた。    

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