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第130話 ミリはもっと欲しい*
「ぅ…ぁぁ…」
「いっぱいでたな、ミリ」
「…っ!」
オッサン発言だよ、だから若い船員さんたちにオジサン扱いされるんだよ、とか反論したい気持ちはたくさんあるんだけど、それこそ本当にいっぱい出したばかりで頭がふわふわする。
確か僕が服を脱いでセブの膝の間に跪いたときはまだ自然光で部屋が明るかったはずだ。
それなのに、今では真っ暗。
いや、いつの間にか目が暗闇に慣れてきていたのか、何も見えないわけではないのだけれど。
「セブ、カーテン」
「外は海だ、誰にみられるわけでもないだろ?」
「そうだけど…」
「電気、つけるか?」
なんでそうなるの?って僕の言葉を無視して、セブは嬉しそうにベッドサイドのランプに手を伸ばした。
「綺麗だな」
「汗まみれでぐちゃぐちゃだよ」
「そういうところも好きだ」
怒らせたらいけない、厳しい船長だとか、船の上では言われているけど、僕の前では頭が溶けちゃいそうになるくらい優しい。
他の人の前でこんな風になっていたら、一生許さないし、絶対嫉妬で刺してる。うん、セブを刺してから自分を刺してる。
そのくらい許せないと思う。
「おいミリ、なに俺を咥えたまま難しい顔してんだ?」
「ぅわっ!」
「俺はまだ出してないんだ、もう少し頑張れよ?」
グルっと視界が反転し、視界いっぱいにセブの胸元が入ってきた。
汗ばんだ肌と逞しすぎる胸筋が頭に来るくらい僕をあおってくる。
羨ましいくらい男らしい僕の恋人は、両腕をマットレスにつくと優しく耳元で呟いた。
「あったかいな、お前のなか」
「う、んっ…」
「優しくしてほしいか?」
「やだ」
「は?」
本当に驚いたのか、ゆるゆると動いていたセブの腰がピタリと止まる。
マットレスにつくほど下がっていた額をあげ、セブは僕と視線を合わせようと両手をついて上半身を持ち上げた。
「やだって言ったの。んっ、今日は激しくして?」
「…!ミリ、お前なぁ。泣いても知らねえぞ?」
「だったら泣かせて?やめてって言っても絶対やめないで?」
何度も言うが、負けず嫌いで言いだしたら聞かない自分の性格が、こういう時に顔を出して僕は大体あとから後悔する。
それでもいいんだ。
どちらかと言えば、手荒くされるくらいがちょうど良い。
眉間にしわを寄せたセブが額の汗を拭った。迷っているんだ。
僕が大事すぎて酷くしたくないから。
でも、セブが無理やりやるくらいが好きなのも僕は知ってる。
「何年一緒にいると思ってるの?」
セブの頭をぐっと引き寄せると、僕は噛みつくように唇を奪った。
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